犯罪・刑事事件の解決事例

業務中に追突事故を起こしてしまったが、勤務先会社が任意保険に入っておらず、損害額全額を本人に請求する訴訟が提起された事例(訴額約200万円の請求が、和解で本人の追加負担額0円で解決!)

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大上 岳彦 弁護士が解決
所属事務所弁護士法人キャストグローバル大阪高槻オフィス
所在地大阪府 高槻市

この事例の依頼主

年齢・性別 非公開

相談前の状況

本件の依頼者は、業務中に追突事故を起こしてしまい、事故態様としては過失100%の事故ということで双方に争いがない事件でした。問題は、勤務先会社が任意保険に入っていなかったことと、被害者や依頼者の求めを無視して一切の事故の対応をしなかったことです。そのため、依頼者は、ご相談に来るまでの間に、被害者から物損として約80万円の請求を受け、会社にも一部負担して欲しいと何度も交渉したが取り合ってもらえず、物損(車の修理代・レンタカー代・レッカー代)の約80万円は何とか工面して被害者に支払っていました。しかし、被害者の方の治療が終わり、後遺障害(等級14級)も残ってしまったということで、人損(ケガに関する損害)について、改めて被害者から損害賠償請求訴訟が提起されたことから、途方に暮れて当事務所にご相談にいらっしゃいました。

解決への流れ

本件でも、依頼者としては、被害者からの損害賠償請求について、法的には会社と連帯責任を負っているため、負担部分に関わりなく、判決になれば会社との連帯債務が認められてしまう事案でした。会社が全く無視を決め込んで訴訟に出席しないということもあり得ましたが、一応会社としても代理人を立てて訴訟に対応をする姿勢を見せたため、(損害額自体の争いもありましたが)、主要な争点としては会社が使用者責任を負うかどうか(またその割合)ということになりました。会社側は、業務中に会社に与えた損害は全て賠償するという誓約書(定型書式で従業員から取得していると思われるもの)を依頼者から差し出させていたことや、完全歩合給である労働実態・過失が100%の事故態様などを理由に、本件事故に関する責任は全て依頼者が一人で負うべきであって使用者責任は負わないという主張をしていました。これらの主張に対し、完全歩合給であっても労働実態からしても純然たる雇用関係にあることや、誓約書が無効であること、本件事故態様が100:0であっても重大な過失にはあたらないこと、会社が任意保険に加入していないことなどを元に会社の責任を主張し、既に依頼者から被害者に支払われた約80万円の物損についても会社に求償権があることなどについても指摘する形で争いました。本来であれば、会社と依頼者との責任割合については、被害者としては関係ない(連帯責任だ!)ということになりますが、依頼者が被害者に対して誠実に対応してきたこと、被害者も会社が責任逃れをしようとしてきたことを不満に思っていたことなどの事情もあり、最終的には被害者と依頼者と会社との間での和解として、①被害者に対する残りの損害(人損)については会社から被害者に対して支払を行う、➁会社は依頼者に対して求償請求をしない、③依頼者も既に被害者に支払った物損約80万円については会社に(逆)求償請求をしないという内容での裁判上の和解を成立させることが出来ました。

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大上 岳彦 弁護士からのコメント

ご依頼をお受けした段階では、会社側が訴訟に出席するかどうか分からず、法的には判決になれば連帯して支払えという判決担ってもやむを得ない事案だったので、出来るだけ損害額を厳密に精査して不要な損害賠償責任を負わないようにすることと、実質的に被害者の方から会社に対して責任追及をしてもらうよう働きかけるほかない可能性もありました。損害額自体も素因減額等の主張によりある程度圧縮できましたが、何より、結果的に、訴訟を起こされた人損については、依頼者の負担ゼロで解決できたこと、会社にきちんと責任を認めさせることができたことにより、大変お喜び頂けました。従業員の方も誓約書があるから・・と諦める必要はありませんし、会社側としてもこのような業務上のリスクに備えてきちんと対策を取っておくことが会社の信頼やリスク分散のためにも重要だと思います。